マイクロ波アンテナ
はじめに
 アンテナは、無線通信を行う場合の電波の出入り口になります。
ここでは、そのアンテナの基本事項を記述します。 参考1 参考2
アンテナの利得
アンテナ利得  電波は、一点から放射されると、四方八方に飛んでゆきます。 そのため理想的なアンテナとして、一点から球面状に均等に放射するような等方性(理想)アンテナを考え、それを基本に電波の放射特性を考えると便利です。
 実際のアンテナは、ある方向に集中して電波を放射あるいは受信するようになっているので、その理想アンテナから見るとあたかも「利得」があるかのように見えます。
 このため、指向方向に基準アンテナに比べて強い電波を放射する放射特性を「アンテナの利得」として表現します。特に等方性理想アンテナからの「利得」を「絶対利得(Ga)」と呼び、基準ダイポールアンテナでは、Ga=2.15dBi になります。
 この「利得」は増幅素子による利得のように、入力信号を増大させて出力する訳ではないのです。仮にそのように見えたとしても、それは何かを誤っている為だと理解すべきです。
 つまりアンテナから電波を放射すると、ある特定の方向に集中させて放射することが出来るので、その方向に限っては、等方性の理想アンテナよりは電波が強くなります。この回収度合が、アンテナの「利得」となります。ですから如何に高利得のアンテナを使っても、放射(または受信)される電力の総和は、供給電力を上回ることは無く、伝搬ロスを低減させるだけなのです。高利得アンテナは狭ビームアンテナになります。
アンテナの性能
 アンテナの重要な性能の一つは利得です。前項でも述べたように、アンテナ利得を高くすると、その分ビーム幅は狭くなり、大型になります。実用を考えれば、用途に合った利得と指向性の兼ね合いで選択することになります。 参考1 参考2
 このことを開口アンテナについて、考えてみます。

 開口アンテナの開口幅をL、ビーム幅をθとすると、
   θ=kλ/L
 の関係があります。利得Gaはこれに反比例します。
 更に開口幅の縦横を考えると、利得Ga
   Ga=kww/λ*khh/λ
      =4πgA/λ2
  ここに、A:開口面積 g:利得係数 λ:波長
 となり、右の図のような関係になります。