負性抵抗をスミスチャートにプロットするとは
 元々スミスチャートは受動回路を反射係数円内に表示するもので、負性抵抗回路は反射係数が1より大きくなり、円外の領域外にプロットされてしまいます。
 しかし反射係数は、Γ=(ZL-Zo)/(ZL+Zo) で定義されますから、「負になるZnr」に代えて「-Znr」をプロットすれば、その値は正になってスミスチャート内に表示することが出来ます。 以下では、そのようにして負性抵抗をスミスチャート内に表示しています。
 このような回路に、ちょうど重なるスミスチャート値を持つ受動回路を接続すれば、 接続点で入射波と反射波が互いに相補する関係になり、発振回路が成立することが解ります。
 -Znr のプロット値がより中央にあれば、より大きな反射波が得られるので、それがより強い「発振の条件」ということになります。
 なお実際の回路ではより詳細のパラメータが係わることになります。
 
トランジスタ負性抵抗回路をプロット (-Znrのプロット)
 rb,re,α,Cbe,Cceに適当な値を入力して、計算・表示 ボタンを押すと、-Znrが計算され、その周波数特性をプロット表示します。
 クリア ボタンをクリックすると表示が消去されます。
b Ω   e Ω   α=
be pF  ce pF       
*プロット範囲: 0.2-10GHz  特性インピーダンス 50Ω
  
ここに図形を表示
【負性抵抗の測定】
 インピーダンスは、Zi/Zo=(1+ρ)/(1-ρ) で表せますから、
-Zi/Zo=-(1+ρ)/(1-ρ)=(1+1/ρ)/(1-1/ρ) となります。
 つまり、(反射波)/(入射波) の反射係数の代わりに、反射波基準で (入射波)/(反射波) を測定することで負性抵抗回路が簡単に測定できることになります。
 実際の測定では、基準端を反射波側にし、測定端を入射波側に入れ替えることで、測定できることになります。